令和5年12月定例会報告(その2)地域医療の提供体制について
<地域医療の提供体制について>
(1)過疎地域における県立病院の役割・あり方について
〔八木〕
新潟労災病院の閉院の方針が明らかになり、地域住民に不安が広がっています。県立病院においても、過疎地域を中心に不採算病院があると承知していますが、病院の再編は、県民の命に関わる問題であるため、経営難の病院を一律に閉院するのではなく、県として必要な医療の提供を行う必要があると考えます。過疎地域における県立病院の役割やあり方について、どのように考えているのか、所見を伺います。
〔病院局長〕
県民が安心して暮らせる県づくりに向け、限られた医療資源の中で持続可能な医療提供体制を確保していくため、市町村や民間医療機関との適切な役割分担により、県立病院が果たすべき役割に重点化を図っていくことが必要と考えております。このような考え方の下、いわゆる「へき地病院」の役割・あり方等について、地元市町村と意見交換を行っているところですが、各病院の立地条件や医療提供体制など、病院ごとに取り巻く状況が異なり、病院に期待される役割・機能も異なることを考慮しながら、地元の思いに寄り添い、丁寧に意見交換を重ねてまいりたいと考えております。
(2)県立病院におけるサービス向上に向けた取組について
〔八木〕
人口減少等により患者数が減少している中で、患者数を確保し病院経営を改善するためには、選ばれる病院にする必要があると考えます。患者対応などのサービス向上に向け、県立病院ではどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
〔病院局長〕
県立病院では、新潟県病院事業の取組方針において、病院に関係する全ての人から信頼される病院をビジョンに掲げております。各病院では、随時、患者の意見をいただくための投書箱等を設置し、対応しているところです。また、毎年、地域住民等へのアンケート調査を実施するとともに、その結果を各病院へフィードバックし、業務改善や患者等の満足度の向上を目指して取り組んでおります。引き続き、信頼される病院づくりに向け、地域住民等のニーズ把握に努め、患者対応を含めたサービス向上を推進し、選ばれる病院となるよう、取り組んでまいります。
(3)県立病院における人工透析の実施について
〔八木〕
今後更に高齢化が進むにつれ、人工透析を必要とする患者が増えると言われています。人工透析の患者の体への負担は大きく、週に複数回の受診が必要であることから、近隣の病院で受診できることが望ましいと考えます。人工透析を実施していない県立病院においても、今後見込まれるニーズ等を調査し、導入を検討するべきではないかと考えますが、所見を伺います。
〔病院局長〕
患者の負担を考慮すれば、近隣の医療機関で受診できることが望ましいと考えておりますが、人工透析は専用の機器とともに、専門医を始め、経験を有する看護師や臨床工学技士などのスタッフが必要であり、現状として、県立病院で人工透析を実施しているのは4病院となっております。今後も、専門医等の医療資源の状況に加え、患者ニーズや地域における透析医療の提供状況等を踏まえた上で、実施体制について検討してまいりたいと考えております。
(4)地域医療の提供体制について
〔八木〕
県内観光事業者からは、合宿などの誘致においては、万が一の怪我や急病の際に、迅速に医療を受けることができる環境の有無が、他地域との競争において、重要であるとの声を聞いています。地域における医療提供体制の検討に当たっては、こうした観光客等の住民以外の医療ニーズも踏まえたうえで、検討を進める必要があると考えますが、知事の所見を伺います。
〔知事〕
医療計画の策定や地域医療構想調整会議等における議論の際には、県外の患者も含めた受療動向や診療実績等のデータを活用するとともに、地域の実情をよく知る医療関係者や市町村にも参画いただいており、今後とも幅広い医療ニーズを想定しながら医療提供体制の検討を進めてまいります。