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活動記録

令和5年12月定例会報告(その4)高温・渇水被害対策について

<高温・渇水被害対策について>

(1)今夏の渇水による農作物被害の受け止めと支援について

今年の夏場の高温・渇水については、県内において農作物の生産に大きな影響を与えましたが、地域においては今後の被害を防止するため、協議会等を立ち上げ、対策を検討しているところです。県として、この夏の渇水による農作物への被害をどのように捉えているか伺うとともに、地域が講じる対策を支援する必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

今夏の異常高温・渇水による農林水産業への影響は、米の1等級比率の大幅な低下や作柄不良に加え、農地のひび割れの発生など、災害級とも言える被害と認識しております。市町村では、地域の実状に合った支援策を講じていると承知しており、県として、次期作に向けた取組を後押しする観点での支援策を12月定例会にお諮りしているところです。引き続き、市町村と連携して、県及び市町村双方の支援策の活用を農業者に働きかけながら、農地の復旧や営農継続に向けた取組を支援してまいります。

(2)今夏の渇水対応の情報共有について

渇水被害の状況を踏まえ、今後の対策を講じる必要がありますが、地域によっては対応の遅れから農作物への被害の拡大を招いた例もあると承知しています。今後も今年と同様に渇水に見舞われる可能性もあることから、消雪パイプの活用や番水の実施など、対応に関する情報を関係者と共有することで、迅速な対応を促す必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

議員ご指摘のとおり、関係者との情報共有は、大切なことと認識しております。県では今夏の渇水において、用水確保に対する支援等を、市町村や土地改良区等に周知しております。これを受け市町村等は、県道の消雪パイプ設備を農業用水に利用するなど、多くの地域で対応が速やかに行われたものと考えておりますが、農作物が枯死するなど、影響が生じた地域も一部ありました。今後も、渇水に見舞われる可能性はあることから、今回の対応について、市町村や土地改良区等と一層の情報共有を図り、迅速な対応につなげてまいります。

(3)夏場の高温被害を回避する園芸作物の導入について

新潟大学農学部が開発した「新大コシヒカリ」は高温に強い特性を持つとされており、今後の普及が待たれます。県は園芸作物の導入・拡大を推進している中で、夏場の高温による被害を回避する園芸作物の導入を進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。

近年、異常気象が常態化しつつある中、稲作経営におけるリスク分散を図るためには、米だけに依存せず、園芸導入により経営の幅を広げることが重要であると考えております。県としては、夏季の高温下での栽培が適している品目の導入とあわせ、園地の遮光やかん水設備の整備、冷房機器等を備えた環境制御型施設の整備への支援等により、異常高温や干ばつの影響を軽減することで、安定して生産できる園芸品目への転換を進めてまいります。